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| ■2人で行うプール水難救助法の手順 |
第1救助者は、真っ先にプールへ飛び込み、負傷者の救助にあたりながら他の救助者および協力者を指揮する。第2救助者は、第1救助者の指示に従い、負傷者の救助にあたる。
負傷者が意識を失っている場合には、脊髄損傷の可能性があるものとして取り扱うことが原則である。第1救助者が発見、救助のためプールに飛び込み、負傷者を水上にて全脊椎固定を行う。さらに、プールサイドに引き上げた後、ネックカラー、スピードブロック装着までに要する制限時間は5分以内としているが、訓練すれば2分30秒で全処置を終了することが可能である。
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| プール内での手順 |
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プールサイドでの手順 |
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体育・スポーツ指導者は、スポーツ時の脊髄損傷を未然に防ぐ管理体制のみならず発生時の全脊椎固定法を習得しておくことが求められる。プール管理者は、プールサイドにバックボード、ネックカラー、バックバルブマスクを設置し、スポーツ指導者、トレーナーに対して定期的に水難訓練を行い脊髄損傷に対する危機意識を高めておくことが必要である。
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| ■プール水難事故への危機管理 |
日本パラプレジア医学会脊損予防委員会が1990〜92年に全国集計した脊損のデータによると、脊損の頻度は人口100万当たり年間約40人である。受傷原因は交通事故44%,高所転落29%,転倒13%,打撲・下敷き
6%,スポーツ 5%であった。スポーツによる脊損の84%が頸髄部であり、プールなどの浅い所への飛び込みが22%と最も多かった。次いで、ラグビー・アメリカンフットボール(アメフト),スキー,柔道,体操,野球などの順であった。また、1980〜93年の総合脊損センター(福岡県飯塚市)の報告においても、脊損患者934例中7%がスポーツによる脊損であり、浅い所への飛び込みが42%と非常に多かった。
脊髄損傷後の完全四肢マヒ患者に対しては、生涯にわたる身体介助と生活保障が必要となる。学校管理下の事故では、プールでの飛び込みによる頸髄損傷事故に1億円の損害賠償(1992年横浜地裁)、ラグビーによる頸髄損傷事故に7900万円の損害賠償(1992年福岡高裁)の支払いが学校側に命じられている。
発生頻度が少ないとはいえ、健康スポーツ関連施設および学校の安全管理責任は非常に大きなものである。頸髄損傷発生時の頸椎固定法およびバックボードによる全脊椎固定法の訓練を受け、日頃から頸髄損傷の危機意識を持って指導に当たることが体育・スポーツ指導者にとって必要である。 |
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| ■プールでの飛び込みによる頸髄損傷 |
負傷者が意識を失っている場合には、脊髄損傷の可能性があるものとして取り扱うことが原則である。
負傷者の頭部、頸部、躯体部、下肢を一体としてバックボードに固定する全脊椎固定法が脊髄損傷の最大の予防であることを救助者は認識しなければならない。意識のない負傷者をあわててプールサイドに引き上げることが脊髄損傷を増悪させることにつながる。負傷者をバックボードに固定さえすれば2人の力でプールサイドへ安全に引き上げることが容易である。
プールでの溺水者は、飛び込みによる頭部強打による意識消失者と、心筋梗塞あるいは心臓突然死による心停止患者の2つが想定される。前者は、溺れによる喉頭痙攣による窒息状態(乾性溺水)であり、心拍動は維持されている場合が多い。後者の場合では心停止後の脳虚血許容時間は水温に左右されるが、水中での心肺蘇生よりも脊髄損傷予防を優先すべきと考えている。
プールサイドに引き上げた後に、循環のサインを確認し、心肺停止の場合には心肺蘇生法を開始する。全脊椎固定された負傷者に対しての人工呼吸は、下顎挙上法による気道確保を行う必要がある。したがって、プール監視者は、脊椎損傷予防に対する全脊椎固定法の訓練にくわえて、ポケットマスクあるいはバックバルブマスクによる人工呼吸法の習得が求められる。 |
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| ■全脊椎固定法の普及 |
日本においては、2000年の初め頃から外傷への初期対応の標準化の動きが高まった。救急医、救急救命士、救急隊員の統一教育カリキュラムとして日本救急医学会が中心となって作成した外傷研修プログラム(PTEC:Prehospital Trauma Evaluation and Care)が急速に広まっている。
PTECの1つの柱が、脊髄損傷を予防するためのバックボードを使用した全脊椎固定法とネックカラーを用いた頸椎固定法である。すべての外傷患者に対して頸髄損傷の可能性を疑い、バックボードに固定して搬送することにより、搬送時の2次的損傷による悪化を防止する。
最近、日本においてもバックボードが救急車に標準装備されるようになり、すべての外傷患者の搬送時に全脊椎固定法を行えば、脊髄損傷防止に大きな力を発揮するものと期待している。 |
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